minusthing

三日坊主にならないようにがんばるょ…><

*ネタバレ*ミッドサマーみました

パンフ買った記念


f:id:minus131:20200311224454j:image

 

財布に余裕が出たのでミッドサマーと犬鳴村まとめて観てきました。犬鳴村は別記事。

ネタバレもりもりで感想文提出します

 

 

 

 

1本目、ちょっとした兼ね合いで先に見ることになったミッドサマー。内容的には最後にするべきやつだったとおもう

 

感想前に自分語り

 

この映画、去年秋ごろ?に「終始明るいシーンのホラー映画があるらしい」という情報が出て、日本公開はなくとも是非レンタルで見たいなあ!!!とめちゃくちゃ楽しみでした。当時まだタイトルはつづり通りに"ミッドソマー"と呼ばれており、一部のホラーマニアの間で騒がれていた程度と記憶しています。

その後、めでたく国内での公開が決まり、公式サイトができ、予告版もアップロードされ、何度もリピートして待ちわびていたんですが………

公開日が近づくにつれじわじわと話題になり、当日からは、Twitterのタイムラインで「めっちゃグロい!」「主人公のいないトリック」その他諸々の軽微なネタバレを食らいまくることになりました。

Twitterでもキレ散らかしましたが、"今までにない明るいホラー+辺境の不穏なお祭り"というパンドラの箱をずっと待ってたんです。「へえ、暗いシーンでビックリさせるようなやつじゃないんだ。じゃあどういう手法なんだろう?」とわくわくしてたんですよ。何も知らないまま劇場に行きたかったんです。

そこに「グロい」という要素が確定するだけで大体察しがついちゃうんですよ。いや予告編の時点でそこそこ血なまぐさいのはわかってたけど、それをピックアップするならそういうことか…って心構えができちゃうのが…ノーガードであのえげつないシーンを受け止めたかった!!!

あと「トリックっぽい」とかいう感想も、思うのは自由だしあのドラマはふつうにすき、でも俺はそういうノリで語りたくはないかな、そもそも感想を和気あいあいと語り合う映画ではないよな、つーか全部すぐトップツイートにしてフォロー外のもの見せてくるTwitterさんが悪いよな?よし、悪くないな!

 

お待たせしました、レポートします

 

 

主人公のダニー姉貴(シャイニングの男の子と同じ名前なのはきっと偶然だよな)は妹が自殺して、精神を病みマヂツラィ……状態。抗不安薬とかまるで俺みたいだぁ……

彼氏のクリスチャン兄貴は友人との付き合いもありややそっけない対応。その友人と一緒に旅行に行くことも伝えていなかった、けどなんやかんや着いていくことに。その行き先が夏のお祭りをする村だった……

 

村の手前くらいで車を止め、友人の一人かつこの村が故郷のペレ兄貴が案内、村人とあいさつ。流れるようにトリップしそうなブツが出てきて「みんなでキメようぜ!」こういうの出てくるのも知ってたけど唐突すぎるだろ…

不安になりつつも、気を遣わせないようキメることにしたダニー姉貴。草むらに佇んでいると、ついた手も地面と化して雑草が生えてくる。(ここの幻覚描写、観てる方もキメてる気分になれてすき)植物と同化するのを感じながら、意識はさまよい、妹の自殺現場に行き着く。むしろトラウマ掘り起こしてるじゃないか……

 

その後、村の中心へ。一面に広がる草原の元、楽しげにしている村人。男女問わず真っ白な服に身を包み、統一感がありすぎて不気味。カルトっぽい。

他にも夏至祭の見学に来た別のカップルもおり、時折共に行動する。

 

*ここから時系列あやういけどゆるしてな!

 

宿泊場所の案内を受ける。壁一面にいっぱい絵が描いてあり、考察が捗りそう。

ここでペレ兄貴が、村人の人生サイクルについて教えてくれる。四季という4つのグループになぞらえてるのは(FGO知識なんだけど)インド神話みたいだと思った。最後の"冬"は72歳までで、その後は……おいおい冗談だろう?

また、外に干してある布だったか…?に描かれている恋のおまじないで結ばれる*よくある*ラブストーリーはのちに再現される。マジでやりやがったなァ!

 

村の老夫婦(夫婦じゃないかもだけど男女)をやたら演出した儀式っぽい昼食タイム。

一連のルーティンをしてから食べる、まるで給食の時間だな…いやそれより意味深すぎて、このあとも色々ありそうやな…と(思いやられる)感じさせてくれるシーン。

 

なんか崖の下に集められる村人と主人公一行。村人の一人はハンマーを持っている。上にはあの老夫婦。あっ……

手を切り、その血でルーン文字が刻まれた石盤を塗らす(予告編のシーン見ると嬉しくなるよね)。

崖の先端で意味深な振りをして、飛び降りる。先に落ちた女性はいい感じに即死できた。

続いて男性も飛び降りた、が、まだ息がある。大きい岩に脚が直撃してひしゃげ、苦しそうにしている。そこに村人がハンマーを振りかぶり、頭を潰す。交代して3回ぐらいやった。もういいんじゃないか…というかすごいリアルだ…

(女性のほうも頭潰してたかもしれない、忘れました

先述の72歳問題はこれ。最後の食事だから今日の主役みたいな扱いだったんですね……

最初の死人ということで、主人公たち外部の人間はドン引き。仕方ないね

 

 

中盤ぜんぜん時系列覚えてないけど

 

主人公一行のうち勉強熱心なジョシュ兄貴と軽薄クソ野郎マークがそれぞれ村のタブーを犯して人知れず始末されたり、

予告編でもひときわ存在感を放った奇形兄貴(性別わからんけど)は、意図した近親相姦で生まれ、「普通の人間とは違って真理を見通せるんじゃね?」的な理由で村の賢者とされ大事な書物を執筆する役目があることを明かされたり、

村人のひとり、赤毛の女の子がクリスチャン兄貴に一目惚れし*恋のおまじない*を実践するなど(小さい頃髪の毛食べかけてすごい気持ち悪かった記憶がよみがえったよ!^^)

 

色々ありましたね…

 

 

終盤は村の女子+なぜか参加させられてたダニー姉貴のダンス対決。

参戦前にお茶を配られる。飲み方を見るにどうやら特別なお茶らしい。

草むらにそびえ立つ十字架みたいなやつの周りに、村人と手を繋ぎ輪を作ってスタンバイ。ダニー姉貴のようすがおかしい。手の甲に…草が生えてきている。これはさっき見たやつですわね?やっぱりヤバいお茶じゃないか!

今回は嫌な幻覚を見ることなく、むしろ踊りながら村の女子と話すうちスウェーデン語を習得する離れ業を見せ、ダンス対決も制覇。

晴れて夏至祭の女王となり、女王用のボリューム満点な花の王冠をかぶるダニー姉貴。お茶のせいなのか花がぱくぱく動いてて、こわい。あと外部の人間だけどいいんだ…

 

 

いつの間にか女王に祭り上げられ、なんかランチの時間も主導しちゃってる彼女を遠巻きに眺めるクリスチャン兄貴に視点は移る。

「ダニーもおかしいし俺の飲み物も色違くない?」とばかりに困惑する彼は、村のリーダー格っぽい女性に呼ばれて個室へ。

赤毛の女の子とえっちなことしてもいいぞ」

と許可に見せかけた命令。

おまじないってレベルじゃないやんけ…村総出で成就させてるやんけ…

ここに来るまで色々あり、既に考えるのをやめた表情をしているクリスチャン兄貴。連れて行かれるままに別の小屋へ。

部屋の中心には、花々のマットに横回る赤毛ちゃん。周りを取り囲んで合唱してる女性陣。全員真っ裸。この絵面、本編随一のクレイジーさだと思う。頭おかしなるで。

身ぐるみ剥がされたクリスチャン兄貴を前に、赤毛ちゃんは足を開く……

 

 

女王と化したダニー姉貴のターン。

人力車…というか神輿?で村を回り、またも儀式的なことをさせられている。そんな中、通りかかった小屋から声が聞こえ、気になった彼女は鍵穴から覗いてみるが…

どうみても浮気中です。ありがとうございました。

 

常軌を逸した場面を見てしまい、不安症状に襲われる。そんな女王ダニーをお付きの村人たちは共に喚き散らし、苦しんでくれる。やさしい。

(ここ予告編で見たときは襲われてるんだと思った)

 

 

大円団のラスト。

舞台の上のダニー姉貴、すごい花に包まれてる。顔以外ただただ花。動いたら一気に散るの見たい。

リーダー格の女性より、「夏至祭の締めに生贄9人捧げるぞ。最後の一人はこの2人からどっちかにするぞ」

9人のうち8人は村人と外部の人間で4人ずつ選出。9人目の候補は無作為に選ばれた村人と車椅子で生ける屍となっているクリスチャン兄貴。どちらにするかは女王が決めるのだという。ダニー姉貴が選んだのは……

 

数分後、そこには熊の着ぐるみ(ナマモノ)を着せられたクリスチャンの姿が!

 

まあ、そりゃそうだよな、全体的にペレ兄貴や村の人々はダニー姉貴に優しかったもんね、全然彼氏らしいことしてなかったしね、しょうがないね。でも捌きたての皮って感触やばそう…想像したくないにゃ…

 

クリスチャン兄貴in熊と村人枠生贄の男性2人(うちひとりは村の手前にいたおくすりくれたニキ!)は、主人公一行には近づいてはいけないと教えられた黄色い三角の小屋にいる。中には藁が置いてあり、既に生贄としてお亡くなりの人々を模した人形と共に座らされている。

小屋の前では村人たちが見守る。赤毛ちゃんはただひとり赤い装飾の施された服を着ており、満足げな表情。クリスチャンは種馬だった…?悲しいなあ…

そこに松明を持った仮面の人々が入り、藁に火をつける。

火は燃え盛り、息のある生贄3人を焼いていく。うち村人2人は互いを慰めあうも、次第に絶叫に変わる。

炎に包まれる小屋、聞こえてくる苦しみの声に共鳴するように、声で、身体で苦しみを表現する外の村人たち。さっきダニー姉貴と一緒に泣いてくれた時と似ている、これがこの村のやり方なのかなあ…

傍から見ればただの阿鼻叫喚な光景。その中で、ダニー姉貴は嬉しそうに微笑むのでした。

おしまい!!!!

 

…………なんだこの映画!

 

 

 

 

総評

 

なんというか、筆舌に尽くしがたい気持ちとはこういうのを言うのかなと思うんですが、ハッピーにはなれないけど見れてよかったけどしんどい…?

よくここまで悪趣味な要素ばっか並べられたなって感じの設定と不快描写の応酬はすごく良かったです。ネタバレ食らってだいたい予想ついててもなお、メンタルがじわじわ擦り切れていく感覚を味わわせてくれてすごい。それだけにまっさらな状態で見れたらもっと…こう…ヤバかっただろうな…と

観た直後は一回で十分だわ…と思ったんですが、こうして書きながら思い出していると、もう一度あの村の風景を見たくなってくるからふしぎです。リピート前提ならもう少し急ぎ足で展開するといいかもですが、全体的に丁寧に描写していたなという印象。疾走感とは真逆に、じっくり毒が染み込んでくるような感覚。

ラストの主人公の笑顔は、妹の自殺というトラウマ・親身になってくれない彼氏から決別して解放されたということなんでしょうが、クリスチャンが他の友人と比べてここまでされるほど悪いことしたか…?感があって、かわいそうが先行してしまい主人公と同じ立場になれなかったんですね。そこが上手くいけば、他でも言われている(監督の思惑通りでもある?)セラピームービーとして受け止められたんじゃないかなあ…

(彼女をないがしろにしてるとか、友人の論文のネタパクるとか、悪事はあるにはあるけど「これは許されねーわ!死ぬしかないね!」と感じられるネタが見当たらなかったんじゃ…)

これ以上言語化しても無駄そうなので、とりあえず、モザイクなし+追加シーンありのR18+版も観ます!おわり!

 

 

長くなりすぎたので犬鳴村は別記事にします。よしなに